医師のための“迷わない投資信託&ETF”入門
新NISAを始めるとき、多くの人が最初につまずくのがここだ。
証券口座は作った。
積立設定もやれそう。
でも「何を買えばいいか分からない」。
まず前提:投資は“迷う人ほど、迷わない商品を選ぶべき”
ここをすっ飛ばすと、あとでしんどくなる。
- 医師は忙しい
- 情報に振り回されやすい
- 自分で選ぶ時間がない
- 市場が荒れたらメンタルも削られる
そんな環境にいるなら、投資商品はシンプルで、ブレないものを選ぶべきだ。
つまり、基本方針はこれになる。
迷ったら、「インデックスファンド1本」でいい。
インデックスファンドってなに?
ざっくり言えば、「市場全体に乗っかる投資」だ。
たとえば、
- 日経平均(日本株)
- S&P500(アメリカの上位500社)
- 全世界株式(オールカントリー)
これらの指数に連動するように運用される投資信託やETFが「インデックス型」だ。
個別株と違って、
「どの会社が伸びるか」なんて読まなくていい。
経済全体の成長を取りにいくスタイルなので、下手に動かさないほど勝ちやすい。
医師におすすめの投資信託3選(つみたて投資枠向け)
つみたて投資枠では「積立に適した商品」に限られている。
だからこそ、初心者でも変な地雷を踏みにくい。
以下、悩みたくない人はこの中から選べばいい。
① eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 通称「オルカン」
- 世界中の株式にこれ1本で投資できる
- 国・業種・企業すべてが分散されていて、とにかく安心感がある
- 日本含む or 含まないで迷ったら「含む(=これ)」でいい
👉 世界経済まるごと信じるスタイル
② eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- アメリカの代表企業500社に連動
- 長期で見れば安定して右肩上がり
- 米国偏重にはなるが、リターンの実績は抜群
- 成績が良い分、下がる時もドカンと来るのが特徴
👉 「とりあえずアメリカ」に抵抗なければ強い味方
③ 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
- アメリカ全体に投資できる(S&P500よりやや広い)
- VTIという有名ETFを投資信託化した商品
- 成績も優秀で、コストも低め
- 米国全体=大型も中小企業も含まれるのがポイント
👉 S&P500よりも少しだけ広めにアメリカをカバーしたい人向け
成長投資枠で使えるETFおすすめ(慣れてきた人向け)
ETF(上場投資信託)は、株のようにリアルタイムで売買できる投資信託。
成長投資枠ではこちらも選べる。
- 信託報酬がさらに低くて、長期保有向き
- 最低投資額は数千円〜数万円とちょっと高め
- 自分で売買のタイミングを管理できる人向け
① 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)(2563)
- S&P500に連動
- 東証に上場していて買いやすい
- 円建てなので為替の手間が少ない
- 楽天証券やSBIで手軽に買える
② iShares Core S&P 500 ETF(IVV) or VOO(米国ETF)
- 米ドル建て(為替リスクあり)
- 成績・信託報酬ともに世界トップクラス
- 新NISAではこれらも非課税で買える
- 長期ホールドが基本なので、頻繁な売買は不要
「自分で決められない人」ほど、買う数を絞れ
最初からたくさんの商品を組み合わせようとする人がいる。
でも、それは大体途中でわけが分からなくなる。
結論から言う。
投資信託は「1本でいい」。
オルカン or S&P500のどちらか、で十分。
分散はその中で勝手にやってくれている。
しかも低コストで、ほったらかしで、勝手に複利で育つ。
迷ったら、それだけ買って放っておけばいい。
「いつ買えばいいか」じゃなく、「いつまで続けるか」が重要
初心者は「今って高いの?下がってから買った方がいい?」と悩む。
でも、それこそが沼の入り口。
正解はこうだ。
今日が一番若い日。とりあえず積み立て開始して、あとは忘れる。
ドルコスト平均法(定額積立)は、“タイミングの失敗”を無効化する技術でもある。
医師にとっては、スケジュールを考える手間を省けるだけでも価値がある。
まとめ:「何を買うか」に迷う時間がもったいない
商品選びに100時間悩むより、
さっさと積み立てて、半年後に「ああ、こんな感じか」と体感する方が早い。
- オルカン or S&P500、どちらかでOK
- 毎月1万円でもいいから、自動積立を設定
- 証券口座とNISA枠を使い始めたら、あとは生活に集中していい
投資の本質は、
「お金を使わずに済んだ時間の中で、何を育てるか」
という自己設計力にあるのかもしれない。
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