「NISA始めたけど、枠が2つあってよく分からん」
「結局どっちから使えばいいの?」
「投資額ゼロでもいけるって言うけど、何をどう買うの?」
—— そんな声を、最近よく聞く。
たしかに、新NISAはシンプルなようで、
初心者にとっては**“入口が2つある迷路”**みたいな構造になっている。
でも大丈夫。
この記事では、研修医や若手医師のライフスタイルに合わせて、
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のリアルな使い方を噛み砕いて解説する。
まず結論:とりあえず「つみたて枠」だけでいい

これが現実的な第一歩。
新NISAには2種類の非課税枠がある。
- つみたて投資枠(年120万円)
- 成長投資枠(年240万円)
併用もできるが、両方フルに使い切るには年間360万円が必要。
正直、研修医の時点でそんなに投資に回せる人はほとんどいない。
だから最初は、“月1〜3万円 × つみたて投資枠”だけでOK。
むしろこの「制限」があるおかげで、
変にリスクを取りすぎずに済むという意味では、初心者にはちょうどいい。
「つみたて投資枠」=投資初心者のための入口
つみたて投資枠は、こんな特徴がある。
- 対象商品が超厳選されている(金融庁が“安心なやつだけ”に絞ってる)
- 原則、インデックス投資信託のみ
- 長期・積立・分散の王道スタイル
- 自動積立前提だから、忙しい医師向き
- 100円から始められる
これはもう、
**「投資やったことないけど、やってみたい人用の入門口」**と言っていい。
商品数が少ない=悩まない。
仕組みが単純=途中で放置しても崩壊しない。
変なボッタクリ商品がない=騙されにくい。
つまり、
**「知識ゼロでも、やらかさない仕組み」**がつまっている。
「成長投資枠」=自由度が高いけど、判断力が問われるゾーン
成長投資枠はその逆。
- 株式、ETF、投資信託など幅広く選べる
- スポット購入(ドカンと一括買い)もできる
- リターンの振れ幅も大きくなる
投資経験がある人ならメリットが大きい。
だが、初心者がいきなり飛び込むと、
**「なんか雰囲気で買った株が3日で30%下がった」**なんてことも普通にある。
そういう世界だ。
しかも、商品が多すぎて、情報量に飲まれる。
医師の忙しい日常の中で、銘柄選定を毎回やるのは現実的ではない。
若手医師が取るべきステップはこれだ
- まず「つみたて枠」で月1万円から積立を開始する
→ 例:eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)や楽天・S&P500など - 数ヶ月〜1年続けて、慣れてきたら投資信託の中身をちょっと見る
→ 「これはどういう指数なのか」「過去の成績はどうだったか」 - ボーナスなど余裕資金ができたら、成長枠でETFや投信を追加で買ってみる
→ ただし、焦らなくていい。つみたてだけで十分。
注意:成長枠だけで運用すると、生涯枠を損する可能性がある
新NISAの生涯非課税枠は、合計1,800万円。
ただし、成長投資枠だけで使えるのは最大1,200万円まで。
つまり、「つみたて枠を全く使わない人」は、600万円分の非課税チャンスを自ら捨てることになる。
これは地味に痛い。
逆に言えば、両方をバランスよく使った人が、非課税メリットを最大化できるということでもある。
医師だからこそ、“つみたての継続性”が最大の武器になる
- 勤務時間が不規則
- 急に転勤や異動がある
- ストレスで投資の判断どころじゃない時期もある
そんな医師という仕事だからこそ、
「勝手に積み上がっていく投資スタイル」が最強だ。
つみたて投資枠で毎月コツコツやっていれば、
市場が下がっても口数が増える。
長期的には平均購入単価が下がる。
つまり、何もしていないようで“勝ってる”状態になれる。
まとめ:つみたて→成長、が正攻法
最初から「両方やらなきゃ!」と思わなくていい。
むしろ、まずは片足からしっかり地面につけておくことの方が大事だ。
- 忙しい医師には「自動で増える仕組み」が最強
- 投資初心者には「つみたて投資枠」が安全でわかりやすい
- 成長投資枠は慣れてから使えばいい
- 両方うまく使えば、生涯1,800万円の非課税メリットをフル活用できる
今のあなたが月1万円しか投資できなくてもいい。
大事なのは、枠を知って、自分のスタイルで使えるようにすることだ。
次回は、「じゃあ実際に何を買えばいいの?」というテーマで、
医師向けおすすめ投資信託とETFを紹介していく。
コメント