【第2回】新NISAの“つみたて”と“成長”を、どう使い分けるか

FIRE・お金

「NISA始めたけど、枠が2つあってよく分からん」
「結局どっちから使えばいいの?」
「投資額ゼロでもいけるって言うけど、何をどう買うの?」

—— そんな声を、最近よく聞く。

たしかに、新NISAはシンプルなようで、
初心者にとっては**“入口が2つある迷路”**みたいな構造になっている。

でも大丈夫。
この記事では、研修医や若手医師のライフスタイルに合わせて、
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のリアルな使い方を噛み砕いて解説する。


まず結論:とりあえず「つみたて枠」だけでいい

これが現実的な第一歩。

新NISAには2種類の非課税枠がある。

  • つみたて投資枠(年120万円)
  • 成長投資枠(年240万円)

併用もできるが、両方フルに使い切るには年間360万円が必要。
正直、研修医の時点でそんなに投資に回せる人はほとんどいない。

だから最初は、“月1〜3万円 × つみたて投資枠”だけでOK
むしろこの「制限」があるおかげで、
変にリスクを取りすぎずに済むという意味では、初心者にはちょうどいい。


「つみたて投資枠」=投資初心者のための入口

つみたて投資枠は、こんな特徴がある。

  • 対象商品が超厳選されている(金融庁が“安心なやつだけ”に絞ってる)
  • 原則、インデックス投資信託のみ
  • 長期・積立・分散の王道スタイル
  • 自動積立前提だから、忙しい医師向き
  • 100円から始められる

これはもう、
**「投資やったことないけど、やってみたい人用の入門口」**と言っていい。

商品数が少ない=悩まない。
仕組みが単純=途中で放置しても崩壊しない。
変なボッタクリ商品がない=騙されにくい。

つまり、
**「知識ゼロでも、やらかさない仕組み」**がつまっている。


「成長投資枠」=自由度が高いけど、判断力が問われるゾーン

成長投資枠はその逆。

  • 株式、ETF、投資信託など幅広く選べる
  • スポット購入(ドカンと一括買い)もできる
  • リターンの振れ幅も大きくなる

投資経験がある人ならメリットが大きい。
だが、初心者がいきなり飛び込むと、
**「なんか雰囲気で買った株が3日で30%下がった」**なんてことも普通にある。

そういう世界だ。

しかも、商品が多すぎて、情報量に飲まれる。
医師の忙しい日常の中で、銘柄選定を毎回やるのは現実的ではない。


若手医師が取るべきステップはこれだ

  1. まず「つみたて枠」で月1万円から積立を開始する
     → 例:eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)や楽天・S&P500など
  2. 数ヶ月〜1年続けて、慣れてきたら投資信託の中身をちょっと見る
     → 「これはどういう指数なのか」「過去の成績はどうだったか」
  3. ボーナスなど余裕資金ができたら、成長枠でETFや投信を追加で買ってみる
     → ただし、焦らなくていい。つみたてだけで十分。

注意:成長枠だけで運用すると、生涯枠を損する可能性がある

新NISAの生涯非課税枠は、合計1,800万円。
ただし、成長投資枠だけで使えるのは最大1,200万円まで

つまり、「つみたて枠を全く使わない人」は、600万円分の非課税チャンスを自ら捨てることになる。

これは地味に痛い。

逆に言えば、両方をバランスよく使った人が、非課税メリットを最大化できるということでもある。


医師だからこそ、“つみたての継続性”が最大の武器になる

  • 勤務時間が不規則
  • 急に転勤や異動がある
  • ストレスで投資の判断どころじゃない時期もある

そんな医師という仕事だからこそ、
「勝手に積み上がっていく投資スタイル」が最強だ。

つみたて投資枠で毎月コツコツやっていれば、
市場が下がっても口数が増える。
長期的には平均購入単価が下がる。
つまり、何もしていないようで“勝ってる”状態になれる。


まとめ:つみたて→成長、が正攻法

最初から「両方やらなきゃ!」と思わなくていい。
むしろ、まずは片足からしっかり地面につけておくことの方が大事だ。

  • 忙しい医師には「自動で増える仕組み」が最強
  • 投資初心者には「つみたて投資枠」が安全でわかりやすい
  • 成長投資枠は慣れてから使えばいい
  • 両方うまく使えば、生涯1,800万円の非課税メリットをフル活用できる

今のあなたが月1万円しか投資できなくてもいい。
大事なのは、枠を知って、自分のスタイルで使えるようにすることだ。

次回は、「じゃあ実際に何を買えばいいの?」というテーマで、
医師向けおすすめ投資信託とETFを紹介していく。

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